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こぶしの木

上村 和子

国立市議会議員公開質問個別回答

1.公立保育園を民営化することが待機児童解消策になると思いますか? : いいえ

 

1.理由

あたりまえの話しですが、運営形態を民営化するだけですから、待機児対策には全くならないと私は思います。

公立保育園の民営化は、財政改革審議会答申を踏まえてつくられた財政健全化実施細目に基づいて進められています。

国立市全体の職員の中で公立保育園職員が占める割合が高いこと、私立には支給される補助金が公立保育園には支給されないことなどが民営化の理由となっています。
市は民営化によって捻出できたお金や人を総合保育相談など他の新たな保育施策に回すと言っているが、それはあくまで二次的効果です。

待機児対策は認可保育所等の増設しかなく、公立保育園の民営化に多くの時間と手間がとられている中でかんじんの待機児対策が後手に回っているのは本末転倒です。

そもそも、財政の視点から保育施策を論ずるのは、根本的間違い。もっと子どもを真に大切にする、国立市の全ての子どもたちに安心した保育施策と幼児教育施策を整備することが重要であり、そのビジョンより、財政健全化策が優先されている現状は至急、ただされなければならないと私は考えます。

 

2.行政による保護者に対するこれまでの説明内容で十分だと思いますか? : いいえ

2.理由

10月29日の公立保育園保護者会と国立市の懇談会を傍聴させていただきました。

保護者会の代表の皆さんからの質問と行政側からの答えがまったくかみあっていないことに驚きました。

なぜ、この様な事態に陥ったのか、至急冷静に行政は検証すべきですが、そもそもかみあっていないという現状認識にすらないのではないかと思うと、行政は民営化の使命感のみで冷静さをかいているとも考えられ、このままでは不信感が増すだけだと思いました。

市は公立保育園の民営化をいくつする予定かあいまいにしたなかで、「とりあえず」1園民営化園を決めて、協議会を作り具体的に進めると説明をしていましたが、それがどんなに無責任で、なしくずし的やりかたなのか、わからないのだなあとあきれました。
保護者の方々が、最初の段階でちゃんと説明して欲しいし、保護者の声もちゃんと聞いて反映させてもらいたいと意見されておられるのを聞いて、全くその通りだと思いました。
このままでは、進むことは危いとすら思います。

新市長は、もう一度、保護者会との信頼回復のための説明会の仕切り直しをするべきと私は考えます。

 

3.市長は、9月に行なわれた国立市議会一般質問で、保護者から理解を得られたとおっしゃっていますが、公立四園保護者会連絡会が行なった保護者に対するアンケート結果では、半分の保護者がよくわからないと答えています。このまま民営化を進めていいと思いますか? : いいえ

3.理由

前保育審議会答申でも、民営化を進めるにあたっては、保護者への丁寧な説明が不可欠という旨を述べています。
保護者の多くは、わからないだけではなく、公立保育園の民営化にどちらかというと反対もされています。

それはあたりまえで、今より絶対良い状態になる見通しがない限り、子どもの保育環境の変化を認められないというスタンスにたつのは保護者責任としては当然です。

行政は、何年間に渡って徐々にスライドしていくので、一人の子どもの保育が途中から変わるということはないと説明していましたが、自分達の子どもにとどまらず、次の子どもたちのことまで考える責任を保護者会としては持っているからこそ、総合的に保育の質の低下となる民営化は絶対に認められないとおっしゃっていると思います。

これは、声なき子どもの権利の発動だと考えます。
社会環境が複雑化する中で、公立保育園はもしかするともっと増えなければいけないかもしれません。
真に子どもの声を代弁しているのは、保護者会の方だと私は思います。

4.これまでの議論で公立保育園民営化の是非を議会で判断するのに、十分な説明や知識を得られているとお考えですか?足りない部分があるとすればどこでしょうか? : 不足している

4.理由

なんといっても「民営化是非そのものの議論がなされないまま、民営化が具体的に進んでいること」が最大の問題です。

これは、行政の暴走であり、将来に禍根を残します。
もう一度、4園の保護者会代表、4名を入れた保育審議会で公立保育園民営化の是非を審議し直すべきだと私は思います。

5. 4を踏まえた上で、ご自身は公立保育園を民営化した方が良いと思いますか? : いいえ

5.理由

なぜ、これほど行政は急いだのか、その理由は全くわかりません。公立保育園民営化の前に、公立保育園の可能性の検証、実践がなされるべきでした。
財政的にも、比較的安定している今、保育施策のはじめとして公立保育園の民営化を取り上げる必然性は全くありません。今、必要なのは、貧困や、虐待、発達しょうがいなど、早期からの親や子どもへの支援施策です。それを公立保育園の機能を利用して、包括的におこなうことは可能です。私も一般質問で公立保育園を地域保育センターにと提案していますし、保育現場からも施策提案が出ています。現場で働く人たちからの、現場を知っているからこそ出てきた現状の課題を解決するための積極的、かつ貴重な提案を無視してはいけないと考えます。
行政は、もう一度、謙虚に現場の声に耳を傾けるべきと考えます。

6. 平成27年保育審議会答申の「目的」において、「国立市は、保育の実施主体として、様々ある保育行政の課題に対応し、市全体の保育サービスの質の維持向上を目指すとともに、子育て支援施策の充実に向けた取り組みについても責任をもって推進しなければならない」とありますが、保育サービスを受ける保護者としては、現状、公立と私立のサービスの質に違いがあると感じています。市内の私立及び公立認可保育所に対して平等に責任を果たすためには、保育の実施主体(児童福祉法第24条第1項)である国立市はどのような役割を担うべきだとお考えになりますか?

国立市は、国立市の全ての子どもの保育環境の整備に責任を持っています。その拠点として公立保育園を持っているわけです。国立市に限らず、私立保育園の保育士さんの状況はきびしいものがあります。これは、経営者の良し悪しとは関係なく、制度そのものの問題です。良心的な経営者ほど、厳しい雇用の状況に悩んでいる可能性もあります。

より私立にこそ、実態を把握し、積極的な支援が必要です。
国立市としての保育の質を規定し、その維持のため、東京都も動かし独自財源を投じる。まさしく、子ども施策への投資は未来への投資です。未来志向型の施策をと思います。

7. 国立市公立保育園の民営化について、ご意見がありましたらお書きください。

保護者会の皆さま、保問連の皆さまの活動に尊敬の念を抱いています。
また、公立保育園の保育士さんたちの真剣な姿勢にも感動しました。

子どもの権利の保障は、大人の都合に合わせて考えないことです。
その点では、財政の視点からの公立保育園民営化は、大人の都合に他ならず、子どもの最善の利益を保障したことにはなりません。

公立保育園民営化の前に、今の時代における公立保育園 の果たすべき役割を、保護者会と現場で働く保育士たちでまとめ、計画におこし、実践に移したら、国立市は子どもが幸せに育つことができるまちになると思います。

今からでも遅くない、子どもたちの幸せを優先する保育施策へと展開できるよう、一議員として全力を尽くします。

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