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国立市長選挙立候補予定者公開質問状 回答報告

小川 宏美

 

子どもは、社会の宝物であり、子供たちが、自分を大切な存在として自己受容できるように、地域全体で子どもたちを見守り、育てていくものと考えます。
そのために、行政は、子供たちが、自ら生きる力を獲得していける環境づくりをしていく必要があると考えます。
その視点は、大人が子どもたちの基本的人権を尊重する、つまり、「子どもの最善の利益」であり、子どもの権利条約の「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」を保障するための施策を展開していきます。大切なことは、行政主導ではなく、子供たち当事者や子供たちと関わっている大人たちの声をしっかりと聞いて、子ども目線にたった施策として具体化していくことです。
第3次国立市子ども総合計画では、様々な施策が掲載されています。これらの施策はもちろん実現化していくとともに、実際の子供たちへのアンケートなどをもとに施策をさらに練り上げていきます。
たとえば、アンケートの結果をみると、今の自分が好きであるという自己肯定感については、小学5年生では約8割が肯定的な答ですが、中学2年で7割、高校2年で6割と自己肯定感を持てる子供が減少しています。国立市の子供たちが成長するにしたがって自己肯定感を育てられない状況にあることがわかります。
それと同時に、誰かの役に立っていると思うというアンケートでも小2で約7割、中学2年で約6割、高校2年では約5割と自分が役に立っているという子供たちが減っていることもわかります。自己肯定感が育っていくための施策は、認められることや達成感、感謝される体験などで、地域の中で様々な人との交流の場を作っていくことが必要です。私は、特に、以下のような施策も工夫したいと考えています。
・地域での防災訓練を小・中・高校生も交えて行い、自分達でできることを増やす施策
・地域の空き家を子供から高齢者まで多世代交流の場として居場所づくりをする
・77歳、88歳、99歳の高齢者の祝いに子供たちが手造りの絵や工作を届ける活動
・しょうがいしゃや高齢者の施設での交流やお手伝いなどで、役に立つ喜びを知る機会を作る施策
子供たちは、様々な実体験、多様な人との交流で、自分自身の生きる力を成長させることができます。その力を作る場所を行政として用意していきたいと思います。
また「子どもの最善の利益」の観点から歴史ある公立保育園の民営化は、当事者である子どもたちに大きな負担がかかることから、白紙にもどします。

永見 理夫

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子どもの権利条約では、子どもが生まれながらにもっている権利として、「生きる権利」・「育つ権利」・「守られる権利」・「参加する権利」の4つを定め、この権利を守ることを謳っています。
この子どもが本来持っている権利を守り、子どもの最善の利益を実現することが基本となります。
子ども自身の気持ちや意見を受けとめ、子どもが周囲の大人に認められていると実感し、成長できることが必要です。
子どもが社会の一員として尊重される家庭づくり、地域づくりを進めていかねばならないと考えます。

1.1 子育ち支援についての基本的なお考えを教えてください。
1.2 重点的取り組み「子ども虐待対策の充実」に対してどのように取り組むか教えてください。

小川 宏美

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子供たちは、たとえ親から虐待を受けても、親を悪く言いたくないという気持ちをもっています。自己肯定感が低い子どもは、虐待されても、自分が悪いと感じてしまいます。虐待は、保護者の経済的・精神的な課題など複合的な背景があります。
私は、これらを鑑み、国立市に設けられた子ども家庭支援センターや「国立市子ども家庭支援ネットワーク連絡会」の充実、各機関の連携をしっかりとるとともに、以下の点を重視します。
・子どもの問題を地域・学校・家庭を通じて解決に導く役割を担うスクールソーシャルワーカーを現在の2名から増員し、各小学校区に1名づつ配置。
・スクールソーシャルワーカーとコミュニティソーシャルワーカー、地域の民生委員さんなどとの連携強化を図る。
・子どもオンブズマン制度の発足に伴い、子どもたちになんでも相談できる場があることを周知するとともに、子供たち自身に人権意識を育てる教育を行う。
・支援が必要な家庭へのきめ細かい支援ができるように、専門職の増員。
・育児支援サポーター制度を現行6か月から1年に延長。
・通学路の見守り活動を全学校区で行い、地域での子どもたちに対する声かけ、見守りをする中で、子どもたちの変化や異常に気付けるようにする。

永見 理夫

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国立市では子ども家庭支援センターを虐待通告の一義的な窓口とし、早期対応をおこなっております。
児童虐待は、家庭が地域から孤立しているときによりリスクが高まることから、各家庭の抱える問題が深刻化する前に相談できることが重要であり、早期対応も可能になることを、市民や地域の関係機関に周知してまいります。
虐待の予防にむけて児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会を「国立市子ども家庭支援ネットワーク連絡会」として設置し、市関係部署をはじめ、学校、幼稚園、保育所、医師会、民協などの市内の関係機関のほか、児童相談所、保健所、警察などにも加わっていただき、このネットワークを通し、虐待ケースはもちろんのこと虐待ではないが「今後が心配なご家庭」についても情報提供を受け、支援につなげています。
子育て支援にかかわる機関の連携が向上することで、学齢期前(新生児・乳児期・幼児期)など早期の段階での児童虐待の発見が増えていきます。
また、子どもの状態を日々把握しやすい小中学校及び保育園、幼稚園との連絡会を定期的にかつ個別に実施し、小中学生の場合はスクールソーシャルワーカーとの連携を図ることにより、児童虐待の早期発見や防止につながります。
子ども家庭支援センターの相談支援体制の強化をはかるために、継続的なケースカンファレンスやスーパーバイズを導入しスキル向上を図ってまいります。
養育の心配なご家庭には継続的な相談や訪問を行い再発防止についても力をいれてまいります。

1.3 重点的取り組み「ひとり親家庭の自立支援の強化」に対してどのように取り組むか教えてください。

小川 宏美

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国立市は全世帯の中の約1割が一人親家庭です。一人親家庭の自立支援強化について、総合計画では、生活支援、修行・自立支援の充実と相談・支援体制の充実を掲げています。
私は、これらの充実を軸にし、具体的な施策をもっと細やかに行う必要があります。
・母子・父子福祉資金貸付事業では、保証人が都内にいないと利用できないので、申請できない方もいる。拡充を図るため、保証人の制限を設けないように申し入れる。
・一人親家庭の自立支援教育訓練を給付金事業の拡充。
(給付可能な職業の枠を広げる・しょうがい児がいる場合には、仕事可能な支援を行う)
・ひとり親家庭のアンケートによると、資格などを取得し仕事に就きたくとも、その間の生活費の困るという回答が半数。生活資金の充実とともに、子供の心のケアができる体制を充実していく

永見 理夫

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ひとり親家庭は経済面や心身等厳しい状況であり、各家庭に応じた自立に向けての支援を推進してまいります。
ひとり親家庭は、就業率は高いものの非正規雇用の割合が高く、稼働所得が低い状況が見受けられることから、正規雇用に有利な資格取得の支援及び継続的な就労支援に力を入れてまいります。(ハローワーク立川による就労相談窓口の常設)
ひとり親家庭の子どもについて、生活習慣や学習習慣が身につく支援を行い社会的に自立していく力を養ってまいります。
ひとり親家庭においての相談支援のニーズも高いことや様々な課題に的確に対応ができるよう関係機関との連携や相談支援体制の強化を進めてまいります。
特に、子どもが両親と離れて暮らす状況で愛情を感じ、健やかに成長していくことができるように支援をしてまいります。

1.4 重点的取り組み「矢川公共用地(都有地)に子育て支援関連施設整備を検討する事業」に対してどのように取り組むか教えてください。

小川 宏美

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子ども・若者、子育て世代、高齢者・しょうがいとともに生きる人、だれもが立ち寄り、触れ合える空間として、市民の皆様の声を集めて、具体化したいと思います。
私は、そのためには、各世代の代表や各市民団体の代表と公募市民を募った「矢川プラスコミュニティ実行委員会」を作り、市民と行政がともに計画を練り上げていきたいと思います。
・子供についての相談支援を子ども家庭センターと保険センターの機能を統合してワンストップサービスの提供を行う
・発達しょうがい児のピース事業の拡充。

永見 理夫

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都営矢川北アパート建替事業に、国立市のまちづくりという視点を反映させ国立市の複合公共施設として検討を進めております。
矢川公共用地の活用にあたっては、矢川地域にお住まいの方、矢川地域で活動されている方等から地域の課題や要望をお伺いし、「矢川公共用地の活用計画素案」を作成してまいりました。
素案では名称を「(仮称)矢川プラス」とし、子育て中の親子をはじめ、だれもが立ち寄りたくなる、子育て中の仲間や先輩と出会い、ふれあうことでコミュニティや支援の輪が子どもの成長を育み、高齢者が元気になるそんな場づくりを目指してまいります。
  具体的には、保育園、児童館、子ども家庭支援センター、発達支援室といった子ども関連
施設、多目的スペース、ホールといった「にぎわい」「高齢」施設を検討しております。
地域で子どもが安心・安全に自由に過ごせる居場所が少なくなっていることからも、子ども同士、地域の人と触れ合う場として「子ども機能」を中心に賑わい機能といった多世代が活用できる地域の拠点施設として整備を進めてまいります。

2.1 子育て支援についての基本的なお考えを教えてください。

小川 宏美

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妊娠から子育て期の切れ目ない施策は重要な課題と認識しています。
私は、孤独に悩まずに済むように、総合相談窓口は最重点課題として取り組みます。このほか、公立保育園を地域の子育ての拠点とする「かかりつけ保育園」に機能強化したり、休日の父親を対象とした、「交流相談支援事業」を行うなど、子ども総合計画に挙げられていないことにも積極的に取り組みます。

永見 理夫

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子どもを安心して産み育て、親としての成長を支援してまいります。
少子化の進行や家族形態の多様化、地域のつながりの希薄化などにより、子育て家庭の孤立や負担感の増大を招いております。また、家庭や地域の養育力の低下が顕著となっており、安心して子どもを産み育てられるように子育て家庭への支援の充実が必要です。
子育て家庭の多様なライフスタイルに対応しながら、保護者の子育てに対する負担感や不安感を軽減し、地域の中で安心して子どもを産み育てられるよう、妊娠前から子育て期の切れ目のない支援ができる体制の整備をしてまいります。
市民の立場にたった総合的なサービス提供や包括的に相談・支援を行い、ステージごとに保健・医療・生活支援・経済的支援など複合的な課題についてサポートできる体制を進めてまいります。

2.2 重点的取り組み「生活困窮世帯への学習支援事業の推進」に対してどのように取り組むか教えてください。

小川 宏美

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今年度から学習習慣の定着、学習意欲向上のための施策が始まりました。私は、これをさらに、発展させてゆきます。また、ボランティアを希望する方の登録をして人材発掘をすすめ、市内数か所で開催できるようにします。すでに市民が行っているものにはどのような支援が適切かニーズを把握してゆきます。また、母子家庭等の自立及び子育ち支援基金を活用して、給付型奨学金をつくります。

永見 理夫

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生活困窮世帯の子どもへの支援、とりわけ学習支援にあたっては、将来子どもが進学や就職が不利になり大人になってからの貧困に繋がらないためにも重要な取り組みと考えています。家庭の経済力とそこから生まれる生活の制約、更には子どもの学力や学習意欲の低下など、「貧困による世代間連鎖」を断ち切ることが大切です。
そのためには、高等学校卒業、大学進学、就職などの将来の自立に向けた包括的支援の視点のもと、小学生を中心に学習習慣の定着や学習意欲の向上の支援、経済的な問題で学習塾に通えない子どもへの学習の場の提供などの具体的な支援を行っていきます。その際、多くのひとり親家庭が置かれた厳しい家庭経済環境を十分考慮し、支援の手を差し伸べる必要があります。
現在、市が実施している「子どもの学習支援事業」は、生活保護受給世帯や生活困窮者世帯、ひとり親世帯などを対象とした、子どもへの学習に対する意欲喚起を行っていく事業となっています。子どもはもちろん、対象世帯の自立を助長していくことを目的としていることから、子どもの貧困対策として、いわゆる「貧困の連鎖」を解消していく為に非常に有意義な事業と考えており、引き続き、推進してまいります。
また、子どもが「分かる・できる」喜びを実感させ、子ども自身が自主的な学習習慣を身に付けることを目指している「国立市放課後学習支援教室」は、地域の力を活用し、小学校全校での取り組みとして充実を図り定着してまいりました。
こうした、子ども自身へのアプローチと同時に、塾代や受験料の捻出が困難なご家庭への相談と貸付の取り組みとして「受験生チャレンジ支援貸付事業」を推進するなど、家庭の生活の制約が子どもの自立を阻害しないよう包括的な対策を進めてまいります。

3.1 地域での支援のあり方についての基本的なお考えを教えてください。

小川 宏美

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取り組みに挙げられているものは全て実施します。私は、このほか、幼稚園に子どもを通わせている世帯への財政的な支援を増やします。学童保育所の延長保育は、19時15分まで拡大します。公立保育園の保育士は地区担当制を導入し、子育ての出前講座を行います。

永見 理夫

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第三次国立市子ども総合計画の基本方針3「地域支援」では、子どもが健やかに育ち、安心して子育てができるまちにするため、安心・安全な環境づくりが必要であり、地域社会全体で子どもと子育て家庭を見守ることが大切であると定めています。
この基本方針に基づいて、「1.こころにゆとりをもって子育てと仕事ができる環境づくり」と「2.子どもと子育て家庭の安全とやさしいまちづくり」の2つの施策目標を掲げています。
前者については、女性の社会進出、共働き家庭の増加、核家族化などを背景に、保育環境の充実が必要であるとともに、就労形態の多様化により、休日保育や長時間保育など保育ニーズも変化してきていると考えています。また、発達が気になる子どもへの支援など増加傾向にある課題への対応も必要です。
こうした様々な市民ニーズに対しては、各事業の優先度を考えていく中で対応していきます。その優先度を考える際には、子どもにとって何が最善の利益であるかという視点を常に持ち合わせたいと考えています。
後者については、少子高齢化・核家族化の進行、地域とのつながりの希薄化などにより、子どもと親の両方の面倒を見ていかなければならないダブルケアの問題や周囲に相談できる人がいないことによる子育て家庭の孤立などの課題があります。悩みを抱え込んでしまっている子育て家庭への支援については、例えば、市内の保育園による支援、市内の高校や大学と連携した支援、経験や知恵を活かしたNPO等の団体による支援など、地域で支え合う仕組みを構築していくことが必要と考えています。
そして、地域で支え合う仕組みがあることにより、地域の目による防犯力の向上や交通安全の確保など安全・安心のまちにつながると考えています。

3.2 重点的取り組み「駅周辺に子育て支援施設の整備を検討する事業」に対してどのように取り組むか教えてください。

小川 宏美

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復元された旧駅舎で絵本の読み聞かせができるようにします。複合公共ビルの中に子育て広場や、育児相談窓口をつくることは大切なことと考えます。また、子どもの夢を応援するため、楽器やダンスの講習を受けられたり、中高生の自主管理に基づいたスペースを作りたいとも考えています。ただ、市の案では、複合公共施設の建設に19億円かけ、年9000万円のランニングコストを50年も払い続ける計画になっています。市の案で良いか、的確な情報公開をしたのち、市民的な議論を経てからの課題と認識しています。

永見 理夫

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国立駅南口公共施設等用地につきましては「国立駅周辺まちづくり基本計画」をもとにどのような機能をもった公共施設に位置づけしていくのか検討してきました。
国立市内、国立駅周辺の課題として、子どもの遊び場の不足、在宅乳幼児等のその保護者への支援の不足を充足する必要性があることを位置づけた「国立駅南口複合公共施設整備基本計画(素案)」を作成、公表し、市民説明会・意見交換会、パブリックコメント等を実施しました。
「親子で自由に遊べる子育てひろば機能」、「親子の交流の場、子育て相談や情報提供を行う機能」、「一時保育機能」を整備することで、市内外からの子育て世代・若者の誘導と賑わいを創出し、良好な子育て環境を整備することを目的として検討を進めてまいります。

4.国立市教育大綱にも掲げられている「安心安全なまちづくり」について基本的なお考えを教えてください。

小川 宏美

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教育大綱は市長が定める教育についての基本方針であり、その任期4年ごとの見直しが想定されています。現・大綱は故・佐藤市長名で1年半前に策定されたものですが、新市長の元で教育委員会と協議した上で改めて定めることになります。
 私は選挙公約の「いのちにこだわる政治」に向けて、①1952年のスタート時に教育の自治をうたった教育委員会声明、②歴代市長が継承してきた教育の自主性の尊重、③「人間を大切にする」「文教都市くにたち」を掲げた第5期基本構想(2027年度までの12年間の長期的な総合計画)をベースとして、教育大綱を見直したいと考えています。
 現・教育大綱にある「365日安心安全なまちづくり」は故・佐藤市長が掲げた理念ですが、第5期基本構想で政策の視点として掲げる「安心・安全の確保」、私の選挙公約「いのちにこだわる政治」に共通するものなので、引き継いでいきます。
 具体的には、故・佐藤市長が進めた医療・福祉・介護の連携による病気の予防や治療の考えを発展し、日常生活の中でのあらゆる事故や暴力・虐待・自殺によるケガを減らす取り組みを、科学的なデータを活用して具体的に検証しつつ、行政と専門家、市民の協働により展開します。
 政府の「1億総活躍国民会議」の席上で菊池桃子さんが提唱した「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)=誰も排除しない街を目指すことこそが、「いのちにこだわる政治」であり、全ての人が安心で安全に暮らすことができるまちであると考えます。

永見 理夫

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教育大綱とは市が策定主体ではなく、「首長」自身が策定するものです。よって、教育大綱に掲げられている「安心安全なまちづくり」については佐藤市長の考えということになりますので、ここでは私の考える「安心安全なまちづくり」について簡潔に述べさせていただきます。
市民の生命と財産を守るということは、自治体の本旨であり、首長の使命でもあります。また、安心と安全は全市民に共通した願いであると認識しています。そのため、私は「24時間安心安全のまち くにたち」の実現を政策の柱の1つとしております。具体的には、コミュニティケアを推進しながら、更なる地域包括ケアの推進や地域で安心して子育てすることができる環境を作るとともに、ハード・ソフト両面から防災・減災対策を進め、合わせて良好な環境を維持していくことを考えております。また、安心・安全を防災や防犯のみにとどめず、より広くとらえた「(仮)安心安全まちづくり条例」を制定していきたいと考えております。
また、子どもに関しましては、貧困、虐待やいじめ、不登校といった様々な要因により健全な成長を妨げ、生命の危機に晒されてしまうことになります。子どもたちは分け隔てなく平等でなくてはなりません。子ども自ら「ありのままの自分」を表現し、大人が聞き取ることが大切です。共に考え、子どもの権利を活かしていく仕組みづくりを国立市が一丸となって築いていく必要があると考えております。

5.待機児童の解消は喫緊の課題です。どうすれば解消できるのか、お考えを教えてください。

小川 宏美

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保育園に申し込んだ子どもの中で入所できた子どもの割合(入園決定率)は今年4月で国立市は71.6%、多摩26市中ワースト9位です。
 子ども・子育て支援事業計画(2015〜2019年度)では2018、19年度に保育園を1園ずつ増やす計画になっており、まずはその着実な実施を目指します。しかし、子どもの数は減りつつあるのに、保育ニーズは想定以上のペースで増えています。社会状況に応じて事業計画を見直し、見込みを超えた保育ニーズの増減に柔軟に対応でき、民間園では人手が足りない保育士の受け皿となる、公の関与が強い保育園を開設することも検討します。
 少子化により、低年齢時の保育園待機児が多い一方で、3歳児から入る幼稚園は定員割れの見通しが大きくなっています。低年齢児の保育定員を増やすと同時に、幼稚園を支援して、預かり保育を充実させたり保育園との連携や認定こども園化を進めるとともに、保護者負担も保育園なみになるような補助制度を検討します。
 財源については、待機児対策に力を入れている東京都の緊急対策や新年度予算を積極活用します。

永見 理夫

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現在、市では、「国立市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、当計画に基づいて待機児童対策に取組んでいます。当計画では、定員100人規模の認可保育園を2園新設していくこととしていますので、この新園の開設を基本に待機児童の解消を図ってまいります。
また、0歳児から5歳児までの認可保育園の開設には、一定規模の適した用地の確保が求められますので、定員100人規模の新園の開設を目指しつつ、地域型保育事業(小規模保育事業など)も活用しながら待機児童の解消に取り組んでいきます。ただし、小規模保育事業では0歳児から2歳児までの保育園となることから、子どもたちは、卒園後の3歳から新たな保育環境に入っていかなければならなく、その環境の変化に対して配慮が必要であると考えています。

6.前市長により公立保育園の民営化が市報にて発表されました。民営化についての基本的なお考えを教えてください。

小川 宏美

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「私たちのことを、私たち抜きで決めないで」・・・これは、国際的なしょうがいしゃの自立生活運動の中で生まれ、今年4月に国立市で施行された「しょうがいしゃがあたりまえに暮らすまちくにたち条例」の基本理念にも明記されているフレーズです。この当事者参加の理念は、行政のしょうがいしゃ施策だけではなくあらゆる社会的課題に向き合う基本になくてはならないと考えます。
 ところが国立市の保育園民営化は当事者不在で、事後説明すら曖昧なまま行政内部で急ピッチで進められています。
 市の財政は依然として厳しく、公立保育園への国の財政支援が打ち切られた中で、民営化により国/都の補助金を得て、浮いたお金を待機児解消や子育て支援に充てたい、というのが現市政が民営化を急ぐ一番の理由だと思われます。しかし実際には、国/都からの補助金以上に民営化園への運営費補助支出がかさむため、民営化の財政効果が現れるのは、何年も後になってからです。それまでの間は、むしろ市の財政支出は千万円単位で増えます。
 私は、これまでの審議会の答申はそれぞれ尊重しつつ、改めて、これから子どもを持つ(保護者になる)市民も含めて当事者参加で仕切り直します。まずは、①国立市が求める「保育の質」と、質を確保するための条件を明確にした保育全体のガイドライン(民営化ガイドラインではありません)と、②公立保育園の役割を明確にした保育ビジョンを、当事者参加でつくります。
 その上で必要があれば、必要であれば公立園の運営形態の変更の是非やその手法、手続きについて選択肢と具体的なメリット・デメリットをはっきりさせながら、行政の都合で検討期限を切ることなく、当事者参加で時間をかけて検討します。
 その際は、公立・私立保育園の一般論ではなく、40年間にわたって市内4園で営まれてきた公立保育園の保育実践の意義と課題を具体的に整理します。
 私は公立保育園のような公の関与が強い保育園が市の中心部に4園あることは決して多くはなく、むしろ未就園児も含めて地域に身近な子育て支援の拠点として機能強化すべきと考えます。

永見 理夫

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前市長の公立保育園民営化の考え方を引継ぎ、私も公立保育園の民営化に取り組んでいきたいと考えています。
その理由は、市の経営資源(予算、職員、施設)は有限であるということが根本にあります。地方自治法において、「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定されていますように、市は、限りある経営資源を各施策にバランスよく配分し、その効率的な執行により、国立市に暮らしている市民全体に最大の利益をもたらすことが責務と考えています。
市政全体を見渡しても、取組まなければならない課題は山積しており、子どもに関する施策においても例外ではありません。
保育における最優先課題として進めている待機児童の解消の取り組みがあり、平成28年度に認可保育所1園、認定こども園1園を開所し、更に平成29年1月には小規模保育所1園が開所する予定となっております。引き続き待機児童ゼロを目指し、認可保育所等の開設ができるよう取り組くんでいく必要があります。
保育環境を充実していくにあたっては、保育士の処遇改善等の保育従事者側への支援を進め、また、保育園のみならず、在宅子育て家庭を含めた子育て家庭における保育課題解決へ向けては、例えば「保育ソーシャルワーカー」のような人員を配置するなどの支援をする仕組みづくりを進めていかなければならないと考えています。
加えて、子育て家庭の保育環境の整備として、保護者にとって就学後も引き続き安心した保育環境が維持できるよう学童保育所環境の整備があり、現在「国立市放課後こども総合プラン」に基づき、小学校4~5年生を含めた全学年の受入れができるよう進めております。
また、安心して子育てができる環境づくりに更なる力をいれる必要があります。母子保健施策による妊娠前からの切れ目ない支援、平成27年度に実施した子ども医療費助成事業の充実による子育て家庭への費用負担の軽減など子育て世帯への支援を行ってまいりました。矢川公共用地の複合施設として計画している矢川プラスも、地域全体で子どもや子育て家庭を支えていく拠点として大きな役割を果たしていくものと考えています。
社会環境が変わり、これら増加する課題への取り組みにあたっては、これまでの手法を変え対応していくことは避けて通れないものであり、公立保育園民営化の取り組みの理由であります。  
よって、公立保育園を民営化することによって生み出された経営資源を、限られた資源として最大限に有効活用することにより、保育環境の充実のみならず、子どもに関する施策課題全体へ取り組むことが可能と考え、公立保育園の民営化に取り組んでいく所存であります。
しかしながら、保育園民営化にあたっての子どもの環境変化については、子どもへの十分な配慮と、その対策を講じていくことが最優先されるべきと考えています。

7.子育て世代に選ばれる街として「次世代の育成」を重点戦略に置く国立市ですが、先人が培ってきた安全で安心な国立市をどのように運営されていくのかビジョンをお聞かせください。

小川 宏美

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私は、「次世代の育成」は、受け身的な「(消費者として)子育て世代に選ばれる街」のためではなく、ポジティブに「(主権者として)全ての市民が未来を選ぶ街」にするためのものとして考えています。
 なぜなら、これからの国立市は街で暮らす人の3分の1が高齢者、現役世代や子どもが減る縮小社会を迎えているからです。どの自治体も掲げている「外から子育て世代を呼び込み税収を確保してしのぐ」という発想は、どの自治体も自治体も右肩上がりの人口と経済の拡大を夢見た時代と大差ありません。ところが現実はすでに人口減と超高齢社会は始まっていて、老朽したインフラをそのまま維持するだけでも相当なコストを負担しなくてはならない時代に突入しているのです。
 人口も経済も縮小する時代には、地域の課題を誰か任せ、行政任せにせず、地域で(まちぐるみで)解決する、そのコスト負担も含めて互いに分かち合う(シェアする)ことが求められています。
 実は国立市の先人が培ってきた市民自治の営み、基本構想の「人間を大切にする」理念こそ、「自分たちの街のことは自分たちでつくる、まもる」という、これからの社会を先取りしたものでした。時にまちぐるみの大騒動を繰り広げながらも市民と行政が協働してきたことが、誰もが安心して暮らせる、住みよい街の風格を生み出し、結果的に若者をはじめ新しい人たちを呼び込んできたのではないでしょうか。
 先人の営みの上に、一人一人が街の課題を他人事にせず誰か任せにせず、行政も市民丸投げにせず、根回しに頼らず、あらゆる人々が参加し協働しながらゆるやかな合意形成をしていく、あたり前の「市民政治」を、さらに根付かせたいと思います。

永見 理夫

 

第5期基本構想、第5期基本構想第1次基本計画、国立市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略において、ご指摘の通り「次世代の育成」を市は重点として掲げております。同様に、ご質問の「安心・安全」も同じように重点に掲げております。
国立市民、全ての人々が安心・安全に過ごせること、これは行政が最も基本に置くべきこと、全ての基本であり、全市民に共通した願いであります。安心・安全なまちであってからこそ、まちが活気づき、安心して子育てができ、高齢者にとっても安心して老後を送ることができます。
この安心・安全なまちづくりにあたり、その根源にあるもの、これは“人権・平和”を守ること、そして行政は、これを進める方策として“ソーシャルインクルージョン”の理念を念頭に行政施策に取り組んでおります。家庭の貧困やしょうがいの有無などに関わらず、全ての子どもたちが安心して健やかに育っていく、また、地域もこれを相互に支えていく、子育て家庭も子どもも、温かみのある地域を感じとれるまちづくりを求めていきたいと考えています。
市民の財産を守る、コミュニティケアを進めるなど、全ての施策の実行にあたっては職員一人ひとりがこうした理念を重んじ、行政運営に取り組んでまいりたいと考えています。
なお、「安全で安心な国立をどのように運営されていくのか」というビジョンにつきまして、4の項目において、具体的な方向性についてはお答えした通りです。

小川 宏美

おがわ ひろみ

http://ogawa.seikatsusha.me/

​回答着信時刻:2016/12/15 10:29

永見 理夫

ながみ かずお

http://nagami-kazuo.jp/

​回答着信時刻:2016/12/15 16:59

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